はじめまして
はじめまして。今年の4月から獣医師として働かせていただいております、西條世志子です。
私は幼い頃から猫を飼っており、近所に犬を飼っている方が多かったため、犬や猫と触れ合うのが当たり前の日々でした。動物病院にお世話になっているうちに、私も将来犬や猫を救う仕事がしたいと思うようになりました。
まだまだ失敗して学びを繰り返す日々ですが、来院してくる子とご家族様を少しでも多く救い、支えとなれるよう日々精進して参りたいと思います。これから宜しくお願いいたします。
花音の隠れスポット💡
花音はこっそり何かをするとき決まってレントゲン台と壁の隙間に向かいます。
大好きなダンボールの切れ端や雑がみをもらうと、そこでビリビリにして楽しんでいます。
犬のレプトスピラ感染症について
暑い日が続き、夏の訪れを感じますね🌞夏休みシーズンが近付き、旅行を計画している方も多いのではないでしょうか?
今回は、これからの季節に注意していただきたいレプトスピラ感染症についてお話しします。
レプトスピラ感染症はレプトスピラという菌によって引き起こされる病気で、主に夏〜秋に発生します。人を含む多くの哺乳類が感染し、特にネズミなどのげっ歯類が高率で保菌しています🐁
症状
・嘔吐、脱水
・口腔内の出血、壊死
・肝不全、肝不全による強い黄疸
・腎不全
など
重度のものでは2〜3日の経過で死亡することもあります。
感染経路
感染動物が尿とともに排菌し、水や土壌を汚染。汚染されたものに接触することにより、皮膚や粘膜から感染します。
県内での発生はまれですが、関東から西側では毎年発生が報告されています。
県外への旅行や、山や水場、犬の多く集まる場所に行く場合は注意が必要です。
治療・予防
レプトスピラに有効である抗生剤の投与を行い、脱水が見られる場合は輸液を行います。
予防としては、レプトスピラ症に有効なワクチンを接種することが推奨されます。当院ではレプトスピラ(イクテロヘモラジー型、カニコーラ型)に有効な8種混合ワクチンを取り扱っています。また、レプトスピラは湿潤な環境で増殖するため、水田、池、沼などで水を飲ませないことも予防となります。
また、人に感染する恐れがあるため、もし飼っているわんちゃんが発症して介護する際には、尿などが口や目に入らないようにし、手をしっかりと洗うことが大切です。
はじめまして
昨年の4月から動物看護師として働かせていただいております。伊豆田唯愛と申します。
私は動物が好きで、将来は動物と関わるお仕事がしたいと思い、動物看護師になりました。
病院に来る動物自身の痛みや苦しみ、不安、ご家族様の不安などを少しでも取り除けるよう獣医師のサポートをして日々精進してまいります。よろしくお願いいたします。
点耳・点眼のやり方
飼い主様から、点耳・点眼が難しい、やり方が分からないというお声をよくお聞きます。
なので、今回は点耳・点眼のやり方をお伝えしたいと思います。
○点耳・点眼に共通すること
・薬液が冷たい場合、薬をつけた時びっくりしてしまうので、手のひらで温めます。
・正面から薬をつけようとすると、嫌がったり、怖がってしまうので後ろ向きに座らせて行いましょう。
・点耳や点眼の後にご褒美を与える(嬉しいことがある)と受け入れやすくなります😊
○点耳のやり方
①耳介(ペラペラな部分)を少し上に引っ張ります。
・上に引っ張ると耳の穴が確認できるようになります。
・わんちゃん、ねこちゃんの耳道はL字型になっているので、少し上に持ち上げるように持つことで耳道がまっすぐになり、広がるため薬が入りやすくなります。
②耳介に沿わせて点耳します。
・点耳薬を入れた瞬間、首を振ってしまうとせっかく入れた薬が飛んでいってしまうので、首を振らせないようにしましょう。
③耳の付け根を優しくマッサージして、点耳薬を馴染ませます。
・耳の汚れが出てきたら、コットンなどで優しく拭き取ってください。
○点眼のやり方
①雑菌が入らないように手をしっかり洗います。
②目薬を持ってない方の手で顎の骨を持ち、顔を固定します。固定しつつゆっくり顎を少し上に向けます。
③目薬を持つ手は、わんちゃん・ねこちゃんの頭の上に置いて支点を作り、目薬を刺す手がブレないように固定します。薬指や小指の側面全体を上まぶたに当て、優しくそっと上げるようにします。
④手のひらでボトルを隠しながら、後ろから1滴目薬をさします。
・目薬を刺す際、ボトルの先にまつ毛やまぶたが直接触れないようにします。また、ボトルから点眼液が雫となって落ちる前に目に触れると液体を介してボトル内に雑菌が入り込むので、ボトルの先と目の先の距離を十分に離して実施しましょう。
・目薬が目の周囲に付着してしまったら、必ずコットンで優しく拭き取ります。放置してしまうと痒くなったり、皮膚の炎症に繋がってしまうので注意してください。
・2種類以上ある時は、5分程度、間を空けてから次の目薬を刺します。目薬を刺す順番もありますので、獣医師の指示に従ってください。
◉眼軟膏を使用する時は、まぶたの縁に付けるようにし、優しく上下のまぶたをくっ付けたり、離したりして目の表面に広げてください。チューブから付けるのが難しければ、清潔にした指先や綿棒に付けて、目に乗せてください。
・チューブの先端にまぶたや目が触れないようにしてください。
それでも嫌がったり、上手くいかないときは無理をせずに、お気軽に病院にご相談ください😄
狂犬病について
ゴールデンウイークも終わり、暖かい日が多くなりましたね。わんちゃん、ねこちゃんにとってはお散歩日和・日向ぼっこ日和の毎日ではないでしょうか?
さて、年度も切り替わり狂犬病の接種で動物病院に来院した方やこれからする方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。改めて狂犬病とは何かということを今回お話します。
『狂犬病とは』
狂犬病ウイルスに感染した動物に噛まれることで様々な症状が引き起こされる病気です。犬に噛まれて感染することが多いですが、他の動物に噛まれることが原因になる場合もあります。通常人から人に感染することはありません。
狂犬病予防法が制定される1950年以前、日本国内で多くの犬が狂犬病と診断され人も狂犬病に感染して死亡することが多くありました。このような状況のなか狂犬病予防法が施行され、わずか7年という短期間で撲滅するに至りました。現在、日本では犬などを含め狂犬病にの発生はありません。だが、日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で依然として発生しており日本は常に侵入の脅威に晒されています。
万が一侵入に備えた対策が重要となっています。そのためには犬の飼い主一人一人が狂犬病に関して正しい知識を持ち予防を確実に行うことが必要となります。
『症状とは』
◦初期症状
・発熱、頭痛、筋肉痛など風邪のような症状
・噛まれた箇所の痛み、痒み、痺れ
◦進行した時の症状
・興奮
・不安
・幻覚が見える
・攻撃的になる
・水や風を怖がる
・意識障害
・呼吸困難
『治療法とは』
狂犬病は発症してしまうと治療法はありません。そのため野生動物に接する場合や狂犬病が流行している地域で動物と接する場合には事前にワクチンを接種することが大切です。
ギュウギュウ📦
箱好きハイハオ。入ってはみたもののちょっと小さくてきつそうです。
ハイハオを撮影中、とら吉は「自分もかまって」とスタッフの足に擦り寄ってきたので、撫でてあげるとご満悦な様子でした。
とら吉も箱に入りたかったようですがハイハオが譲ってくれず……
毛繕いでごまかされる🐱
犬猫の貧血
桜シーズン到来ですね🌸
お花見をわんちゃんとされるご家族様も多いのではないでしょうか?
今年からは屋台も並びそうでお花見が楽しみです😊
さて、そんな時に怖いのが誤食です。今回お話しするのは、誤食後に起きてしまう可能性のある貧血についてです。ただし誤食は原因の一つであり、防ぐことができるため日頃から誤食する可能性のあるものは戸棚の中にしまったり、お散歩時はリードを短くもち目を離さないなどの対策をおすすめします。
貧血は、末梢血中の赤血球数や血色素量が減少している状態です。赤血球が減少したとき骨髄で赤血球をつくることのできる再生性貧血と、骨髄機能が減退し赤血球をつくる機能が低下している再生不良性貧血に分類されます。また、再生性貧血は出血性貧血と溶血性貧血にわかれます。
<症状>
組織の酸素不足からくる可視粘膜の蒼白、元気喪失、体重減少、運動不耐性(運動をいやがる、疲れやすい)、心拍数の増加、呼吸速拍、失神などがみられます。溶血性貧血の場合は黄疸、血尿、脾臓や肝臓の腫大がみられることもあります。
<原因>
出血性貧血の場合…
外傷、手術、消化管出血(出血性胃腸炎、潰瘍、消化管寄生虫、腫瘍など)、泌尿器出血(膀胱炎、尿石症、腫瘍など)、ノミなどの外部寄生虫、血小板減少症など血液凝固異常による出血が考えられます。
溶血性貧血の場合…
赤血球寄生虫、ネギ中毒、自分の赤血球を抗原と認知し赤血球を破壊してしまう自己免疫性溶血性貧血、化学物質による肝機能不全などが考えられます。
※誤食によって起こる貧血は、この溶血性貧血に該当します。ネギ類の誤食は十分に注意してください。
再生不良性貧血の場合…
赤血球の核の合成に必要なビタミンB12や葉酸の欠乏、ヘモグロビン合成に必要な鉄、銅、アミノ酸、ビタミンB6の欠乏、赤血球産生ホルモンが欠乏する慢性疾患や腎疾患、薬物中毒、内分泌機能不全、ウイルス感染、腫瘍細胞により骨髄がおかされてしまう骨髄ろう性貧血などが考えられます。
<検査>
血液検査を行い、赤血球数(RBC)やヘモグロビン濃度(Hb)などの数値から、貧血かどうかを確認します。
貧血が起きている場合、冒頭でお話ししたような一般的な症状がみられることが多いため、「いつもと比べて元気がないかも」「歯茎が白っぽい?」「なんだか様子がおかしい」と思うことがあれば、なるべく早めに受診するようにしましょう。
☆ご自宅でできること…わんちゃん、ねこちゃんの口を少し上にぐぃっと上げると歯茎の下にピンク色の粘膜が確認できると思います。その粘膜の色がピンク色でしたら正常初見です。(※写真参照)これよりも青白い場合は、貧血の可能性がありますので定期的にチェックしてみてください。