猫の症状・病気

Cat

小さな変化を、見逃さないために

猫のよくある症状

猫は体調が悪くても、それを表に出さず静かに過ごすことがあります。そのため、気づいたときには症状が進行しているケースも少なくありません。食欲や行動、トイレの様子など、日常のちょっとした変化が体調不良のサインであることもあります。

このページでは、猫によく見られる症状を部位ごとにまとめています。気になる様子があれば、早めにご相談ください。

皮膚の症状

猫の皮膚トラブルは、かゆみや脱毛といった分かりやすい症状だけでなく、毛づくろいの増加や行動の変化として現れることもあります。

次のような症状が見られる場合は、皮膚に何らかの異常が起きている可能性があります。

  • 体をしきりになめる、かく、かみ続ける
  • フケが増えた、皮膚がベタついている
  • 毛が薄くなる、部分的に抜けている
  • 毛並みが悪くなった、ツヤがなくなった
  • 皮膚が赤くなっている、かさぶたができている

猫は不調を隠す傾向があるため、皮膚の異常も見過ごされやすいことがあります。「いつもより毛づくろいが多い」と感じた場合も、気になるサインのひとつです。早めにご相談ください。

考えられうる病気

皮膚にこのような症状が出るときは、次のような病気が考えられます。

「ツメダニ症」「スタッドテイル」「アレルギー」「アトピー」「ノミアレルギー性皮膚炎」「ストレス」「疥癬」「糖尿病」「脂肪肝」「肝炎」「伝染性腹膜炎」など。

鼻と口の症状

猫は不調を隠しやすい動物です。鼻や口まわりの変化は、体調不良の初期サインであることも少なくありません。

  • くしゃみをする
  • よだれが増える
  • 鼻水が出る
  • 口内炎が見られる
  • 口の中が赤い・出血している

猫の鼻や口の症状は、風邪のような軽い不調に見えても、慢性的な病気が隠れていることがあります。変化に気づいた際は、早めにご相談ください。

考えられうる病気

鼻や口にこのような症状が出るときは、次のような病気が考えられます。

「風邪」「クリプトコッカス症」「気管支炎」「結膜炎」「肺炎」「副鼻腔炎」「鼻炎」「歯周病」「尿毒症」「腎不全」「口内炎」「エイズなどの感染症」など。

目の症状

目の異常は、感染症や全身の病気が関係していることもあります。目やにや赤みなど、わずかな変化も見逃さないことが大切です。

  • 目やにが出る
  • 目が白く濁る
  • 目をしきりに気にする
  • まばたきが多い
  • 目が赤くなる
  • 涙が止まらない

目のトラブルは、感染症だけでなく体の他の不調が影響していることもあります。目やにや赤みなど、気になる変化があれば早めに受診しましょう。

考えられうる病気

目にこのような症状が出るときは、次のような病気が考えられます。

「結膜炎」「気管支炎」「角膜炎」「白内障」「眼瞼内反症」「鼻炎」「緑内障」「流涙症」など。

消化器の症状

猫の消化器の不調は、食事内容の変化や体調不良、病気などが原因で起こることがあります。一時的なものと思って様子を見てしまうと、症状が長引く場合もあります。

次のような症状が見られる場合は、消化器に異常が起きている可能性があります。

  • 嘔吐や下痢を繰り返している
  • 体重が減ってきた
  • 便がゆるい、血が混じる、色やにおいが違う
  • お腹を触られるのを嫌がる
  • 食欲が落ちた、食べる量が減った

猫は体調が悪くても静かに過ごすことが多いため、症状に気づきにくいことがあります。嘔吐や下痢が続く場合や、元気がない様子が見られる場合は、早めにご相談ください。

考えられうる病気

このような症状が出るときは、次のような病気が考えられます。

「糖尿病」「トキソプラズマ症」「膵炎」「食道炎」「子宮がん」「子宮蓄膿症」「リンパ腫」「横隔膜ヘルニア」「尿毒症」「毛球症」「腎不全」「食道拡張症」「甲状腺機能亢進症」「脂肪肝」「肝炎」「回虫症」など。

呼吸器の症状

猫の呼吸器の症状は、気づきにくいまま進行してしまうことがあります。呼吸の仕方や音の変化は、体調不良のサインである場合もあるため注意が必要です。

次のような症状が見られる場合は、呼吸器に異常が起きている可能性があります。

  • くしゃみや鼻水が続いている
  • 元気がなく、動きたがらない
  • 咳をする、ゼーゼー・ヒューヒューと音がする
  • 少しの動きで息が苦しそうになる
  • 呼吸が荒い、口を開けて呼吸している

呼吸器の症状は、感染症や慢性的な病気が関係していることもあります。呼吸の様子に「いつもと違う」と感じた場合は、早めにご相談ください。

考えられうる病気

このような症状が出るときは、次のような病気が考えられます。

「喘息」「心筋症」「先天性心疾患」「リンパ腫」「膿胸」「風邪」「気管支炎」「食道拡張症」「フィラリア症」「リンパ腫」「横隔膜ヘルニア」「熱中症」「胃拡張」「胃捻転」「肺炎」「ヘモバルトネラ症」「副鼻腔炎」など。

原因を探り、
無理のない付き合い方を考える

猫のアレルギー・アトピー

猫のアレルギーやアトピーは、皮膚のかゆみや脱毛、毛づくろいの増加などの症状として現れることがあります。猫は不調を隠す傾向があるため、症状が分かりにくく、気づいたときには慢性化しているケースも少なくありません。

原因はひとつとは限らず、食事や生活環境、体質など、さまざまな要因が関係していることがあります。当院では、症状の出方や生活環境を丁寧に確認しながら、その子に合った治療やケアの方法を一緒に考えていきます。

主な症状

猫のアレルギーやアトピーでは、皮膚や被毛の変化、行動の変化として症状が現れることが多くあります。猫はかゆみや違和感を隠すことも多いため、日常の様子をよく観察することが大切です。

次のような症状が見られる場合は、アレルギーやアトピーが関係している可能性があります。

  • 体をしきりになめる、かむ、毛づくろいが増える
  • フケが増える、皮膚の状態が悪くなる
  • 毛が薄くなる、部分的に脱毛している
  • 外耳炎を繰り返す
  • 皮膚が赤くなる、かさぶたができる

これらの症状が続く場合は、放置せずにご相談ください。早めの対応が、症状の悪化を防ぐことにつながります。

考えられる原因

猫のアレルギーやアトピーは、ひとつの原因だけで起こるとは限らず、複数の要因が関係していることが多くあります。原因を特定することが難しい場合もありますが、考えられる要素を整理しながら対応していくことが大切です。

主に、次のような原因が考えられます。

  • 食事に含まれる成分による食物アレルギー
  • 体質や遺伝的な要因
  • ハウスダストや花粉、カビなどの環境要因
  • 皮膚のバリア機能の低下
  • ノミやダニなどの寄生虫

猫は生活環境の変化に敏感なため、住環境や季節の影響で症状が強くなることもあります。当院では、症状の経過や生活環境を丁寧に確認しながら、原因を探っていきます。

治療の考え方

猫のアレルギーやアトピーは、短期間で完全に治すことが難しい場合もあり、症状と上手に付き合っていく治療が必要になることがあります。当院では、かゆみや皮膚の炎症を抑えながら、猫ができるだけ快適に過ごせる状態を目指しています。
治療では、症状や原因に応じて、食事の見直しや内服・外用治療、スキンケアなどを組み合わせて行います。猫は環境の変化に敏感なため、負担にならない方法を選び、状態を見ながら無理のない治療を進めていきます。アレルギーやアトピーの治療は、継続的なケアが大切です。
当院では、ご家族と相談しながら、その子に合った治療方針を一緒に考えていきます。

気づきにくいからこそ、早めの確認を

猫の腫瘍・しこり

猫の体にできる腫瘍やしこりは、被毛に覆われていることや、触られるのを嫌がる性格から、発見が遅れてしまうことがあります。また、猫は体調不良を隠す傾向があるため、気づいたときには症状が進行しているケースも少なくありません。
しこりの正体はさまざまで、良性のものもあれば、注意が必要な病気が隠れている場合もあります。見た目や触った感触だけで判断することは難しく、経過や検査による確認が重要です。
当院では、しこりの大きさや硬さ、できた場所、変化の有無を丁寧に確認し、必要に応じて検査を行いながら対応しています。「小さいから」「元気そうだから」と自己判断せず、気になるしこりがあればご相談ください。

しこりとは

しこりとは、皮膚の下や体の表面、口の中などに触れて分かるできものや腫れのことを指します。脂肪のかたまりや炎症によるものなど、良性の場合もありますが、腫瘍など注意が必要なケースが含まれることもあります。

猫のしこりは、被毛に隠れて気づきにくかったり、触られるのを嫌がるために発見が遅れることがあります。また、見た目や触った感触だけで良性・悪性を判断することはできません。しこりの大きさや硬さ、できた場所、時間とともに変化していないかを確認することが大切です。気になるしこりに気づいた場合は、早めに状態を確認することをおすすめします。

相談の目安

猫の腫瘍やしこりは、早期発見がとても重要です。被毛に隠れて気づきにくいため、日常のスキンシップやブラッシングの際に、体に触れて確認することが大切です。

次のような場合は、早めの相談をおすすめします。

  • 気になるしこりやできものに気づいた
  • 元気がなく、動きたがらない
  • しこりが大きくなってきた、数が増えてきた
  • 7歳以上の猫である
  • 触ると嫌がる、痛がる様子がある
  • 以前に腫瘍やしこりが見つかったことがある
  • 食欲が落ちている、体重が減ってきた

「様子を見てから」と判断しているうちに、症状が進行してしまうこともあります。少しでも気になる変化があれば、早めにご相談ください。

しこりはすべてがんなのでしょうか?

しこりが見つかったからといって、すべてががんというわけではありません。しこりには、良性のものと悪性(がん)のものがあり、見た目だけで判断することはできません。しこりに気づいた際は、次の点を確認し、診察時にお伝えください。

  • いつ頃から気づいたか
  • 触ると痛がる様子はあるか
  • 大きくなっているか、変化はあるか
  • 出血やただれはないか

小さなしこりでも、早い段階で確認することで、選べる治療の幅が広がることがあります。気になる変化があれば、早めにご相談ください。

猫に多い代表的な病気について

猫にも、年齢とともに注意が必要な病気があります。特に多く見られる代表的なものとして、次のような病気が挙げられます。

  • 腎臓病
  • 心臓病
  • 腫瘍(がん)

猫は体調不良を表に出しにくいため、気づいたときには病気が進行していることもあります。日頃からの観察と、定期的な健康チェックが早期発見につながります。

受診の目安

猫は体調が悪くても、静かに過ごすことで不調を隠してしまうことがあります。そのため、はっきりとした症状が出たときには、すでに病気が進行しているケースも少なくありません。

大切なのは、重い症状が出てから受診することではなく、「何となく様子が違う」「少し気になる」と感じた段階で相談することです。

早めに相談した方がよい症状

次のような様子が見られる場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 食欲が落ちている、食べる量が減っている
  • 毛づくろいの回数が極端に増えた、または減った
  • 元気がなく、寝ている時間が増えている
  • 体を触ると嫌がる、隠れるようになった
  • 嘔吐や下痢を繰り返している
  • しこりやできものに気づいた、変化がある
  • 呼吸が荒い、口を開けて呼吸している
  • トイレの回数や様子に変化がある

猫の体調変化は、行動や生活リズムの変化として現れることもあります。
判断に迷う場合も含め、気になることがあればお気軽にご相談ください。