犬の症状・病気
Dog

小さな変化に、早く気づくために
犬のよくある症状
犬は体調が悪くても、痛みや不調を外に出さず、普段どおりに振る舞うことが少なくありません。そのため、病気のサインに気づきにくい場合があります。早期発見・早期治療につなげるためには、日頃から様子をよく観察し、「いつもと違う」と感じた変化を見逃さないことが大切です。
このページでは、犬に多く見られる症状を部位別にまとめています。気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。
皮膚の症状

犬の皮膚はトラブルが起こりやすく、かゆみや赤みなどの症状として現れることが多くあります。症状の原因は、アレルギーや感染症、ホルモンの影響などさまざまで、見た目だけでは判断が難しい場合もあります。
次のような症状が見られる場合は、皮膚に何らかの異常が起きている可能性があります。
- 体をしきりにかく、なめる、こする
- 皮膚にできものやしこりがある
- 皮膚が赤くなっている、湿っている
- においが強くなった、ベタつきがある
- フケが増えた、毛が抜けてきた
皮膚の症状は、慢性化すると治療に時間がかかることもあります。「少し様子がおかしいかな」と感じた段階で、早めにご相談ください。
考えられうる病気
皮膚にこのような症状が出るときは、次のような病気が考えられます。
「寄生虫の感染」「皮膚糸状菌症」「甲状腺機能低下症」「クッシング症候群」「ストレス」「アレルギー」「疥癬」「ツメダニ」「皮膚腫瘍」「肛門周囲腺腫」「クリプトコッカス症」「火傷」「怪我」「中毒」「寒さ」など。
鼻と口の症状

くしゃみや鼻水、口の中の違和感などは、体の不調を知らせるサインのひとつです。いつもと違う様子が見られたら、早めの受診をおすすめします。
- 鼻水が出る
- よだれが増える
- くしゃみが続く
- 歯や歯ぐきに違和感がある
- 口臭が強くなる
鼻水やくしゃみ、口の中の違和感などは、一時的な不調だけでなく、感染症や慢性的な病気が関係していることもあります。いつもと違う様子が見られた場合は、早めにご相談ください。
考えられうる病気
鼻と口にこのような症状が出るときには、次のような病気が考えられます。
「(真菌・ウイルス・細菌などの)感染」「歯周病」「(花粉・タバコ・香水)などのアレルギー」「(高齢の犬であれば)ガン」「鼻炎」「副鼻腔炎」「蓄膿症」「鼻膜腔内腫瘍」「ケンネルコフ」「犬ジステンパーウイルス感染症」「犬伝染性肝炎」「糖尿病」「尿毒症」「鼻炎」「腎不全」「咽頭炎」「肺気腫」「肺水腫」「気管虚脱」「気胸」「てんかん」「門脈シャント」「口内炎」「口腔内悪性黒色腫」「胃捻転」「狂犬病」「熱中症」「低血糖」など。
目の症状

目のトラブルは見た目の変化として現れやすい一方、進行してから気づくこともあります。
小さな変化でも放置せず、気になる場合はご相談ください。
- 目やにが出る
- 目が白く濁る
- 涙が多い
- 見えにくそうにしている
目の症状は炎症や感染症のほか、加齢や全身の病気が影響している場合もあります。小さな変化でも気になることがあれば、早めの受診をおすすめします。
考えられうる病気
目にこのような症状が出るときには、次のような病気が考えられます。
「流涙症(涙焼け)」「角膜炎」「結膜炎」「白内障」「緑内障」「網膜剥離目」「ぶどう膜炎」「チェリーアイ」「ドライアイ」「マイボーム腺腫」「眼瞼外反症」「アレルギー」など。
消化器の症状

消化器の不調は、食事内容や体調の変化、病気などさまざまな原因で起こります。一時的なものと思って様子を見てしまいがちですが、症状が続く場合は注意が必要です。
次のような症状が見られる場合は、消化器に異常が起きている可能性があります。
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- お腹を痛がる、丸まって動かない
- 便がゆるい、血が混じる、色やにおいがいつもと違う
- 体重が減ってきた
- 食欲がない、急に食べる量が減った
消化器の症状は、軽い不調から重い病気まで幅広く考えられます。症状が長引く場合や、元気がない状態が続く場合は、早めにご相談ください。
考えられうる病気
このような症状が出るときは、次のような消化器系の病気が考えられます。
「糖尿病」「クッシング症候群」「副腎皮質機能低下症」「腎不全」「腫瘍」「子宮蓄膿症」「大腸炎」「脾臓疾患」「胃腸炎」「吸収不良」「大腸疾患」「ポリープ」「がん」「食べ過ぎ」「寄生虫」「尿路結石症」「膀胱炎」「前立腺肥大」「下痢」など。
呼吸器の症状

呼吸器の異常は、見た目では分かりにくいこともありますが、進行すると全身の状態に影響を及ぼすことがあります。特に呼吸の様子に変化が見られる場合は、注意が必要です。
次のような症状が見られる場合は、呼吸器に異常が起きている可能性があります。
- 咳が続く、急に咳をするようになった
- ゼーゼー、ヒューヒューといった音がする
- 呼吸が荒い、苦しそうに息をしている
- 動くのを嫌がる、少しの運動ですぐ疲れる
- 鼻水やくしゃみが続いている
呼吸器の症状は、感染症や慢性的な病気が関係していることもあります。呼吸の様子が「いつもと違う」と感じた場合は、早めにご相談ください。
考えられうる病気
ワンちゃんにこのような症状が出るときは、次のような呼吸器系の病気が考えられます。
「ケンネルコフ」「各種アレルギー」「寄生虫」「心臓病」「ジステンパー」「インフルエンザ」「肺炎」「アレルギー」「気管支炎」「肺炎」「肺水腫」「肺気腫」「横隔膜ヘルニア」「胸膜炎」「気胸」「胃炎」「胃潰瘍」「レプトスピラ症」「血小板減少症」など。

かゆみの原因を見極め、
付き合い方を考える
犬のアレルギー・アトピー
犬のアレルギーやアトピーは、皮膚のかゆみや赤み、脱毛などの症状として現れることが多く、慢性的に続くケースも少なくありません。原因はひとつとは限らず、食事や生活環境、体質など、さまざまな要因が関係していることがあります。
当院では、症状の出方や生活環境を丁寧に確認しながら、原因を探り、その子に合った治療やケアの方法を考えていきます。すぐに完治を目指すというよりも、症状をコントロールしながら、無理なく付き合っていくことを大切にしています。
主な症状
犬のアレルギー・アトピーでは、皮膚を中心とした症状が慢性的に見られることが多くあります。症状の出方には個体差があり、季節によって悪化する場合もあります。
次のような症状が続いている場合は、アレルギーやアトピーが関係している可能性があります。
- 体をしきりにかく、なめる、かみ続ける
- 毛が抜ける、皮膚が厚くなる
- 皮膚が赤くなる、湿疹ができる
- 皮膚のにおいが強くなる
- 耳をかく、外耳炎を繰り返す
アレルギーやアトピーは、放置すると症状が慢性化し、生活の質が下がってしまうこともあります。「いつものこと」と思わず、気になる症状があればご相談ください。
考えられる原因

犬のアレルギーやアトピーは、ひとつの原因だけで起こるとは限らず、複数の要因が関係していることが多くあります。原因を特定することが難しい場合もありますが、考えられる要素をひとつずつ整理していくことが大切です。
主に、次のような原因が考えられます。
- 食事に含まれる成分による食物アレルギー
- 体質や遺伝的な要因
- ハウスダストや花粉、カビなどの環境要因
- 皮膚のバリア機能の低下
- ノミやダニなどの寄生虫
アレルギーやアトピーは、生活環境や季節によって症状が変化することもあります。当院では、症状の経過や生活環境を丁寧に確認しながら、原因を探っていきます。
治療の考え方
犬のアレルギーやアトピーは、短期間で完全に治すことが難しい場合も多く、症状と上手に付き合っていく治療が必要になることがあります。そのため当院では、かゆみや皮膚の炎症を抑えながら、生活の質を保つことを重視しています。
治療では、症状や原因に応じて、食事の見直しや外用・内服治療、スキンケアなどを組み合わせて行います。すべてを一度に変えるのではなく、状態を見ながら無理のない方法を選択していきます。
アレルギーやアトピーの治療は、継続的なケアが大切です。当院では、ご家族と相談しながら、その子に合った治療方針を一緒に考えていきます。

「いつものこと」と思わず、
気づいたら確認を
犬の腫瘍・しこり
犬の体にできるしこりやできものは、年齢とともに見つかることが増えてきます。体の表面だけでなく、口の中や耳の中など、気づきにくい場所にできることもあり、なかには腫瘍(がん)が関係している場合もあります。
しこりが小さい、出血が少ないといった理由で様子を見てしまうと、気づいたときには治療が難しくなってしまうケースも少なくありません。当院では、しこりの状態や変化を丁寧に確認し、必要に応じて検査を行いながら対応しています。
しこりとは

しこりとは、皮膚の下や体の表面、口腔内、耳の中などにできるできものや腫れを指します。しこりには、良性のものと悪性(がん)のものがあり、見た目や触った感触だけで判断することはできません。
近年では、細胞検査などにより、しこりの性質を調べることが可能になっています。ただし、良性と判断された場合でも、できた場所によっては将来的に問題となることがあり、基本的には小さいうちに対応することが望ましいとされています。
相談の目安
腫瘍やしこりは、早期発見がとても重要です。次のような症状や変化が見られる場合は、早めの相談をおすすめします。
- 気になるしこりやできものがある
- 咳や呼吸が荒くなった
- 口臭やよだれが強くなった
- しこりが大きくなってきた、数が増えてきた
- 食欲が落ちている、体重が減ってきた
- 7歳以上である
- 嘔吐や下痢、下血が続いている
- 以前に腫瘍ができたことがある
「いつもと違う」と感じる小さな変化に気づくことが、早期発見につながります。少しでも不安がある場合は、どんなことでもご相談ください。
しこりはすべてがんなのでしょうか?
しこりが見つかったからといって、すべてががんというわけではありません。しこりには、良性のものと悪性(がん)のものがあり、見た目だけで判断することはできません。しこりに気づいた際は、次の点を確認し、診察時にお伝えください。
- いつ頃から気づいたか
- 触ると痛がる様子はあるか
- 大きくなっているか、変化はあるか
- 出血やただれはないか
小さなしこりでも、早い段階で確認することで、選べる治療の幅が広がることがあります。気になる変化があれば、早めにご相談ください。
犬の3大疾病について
犬の主な死亡要因として、次の3つが挙げられます。
- がん
- 心臓病
- 腎臓病
これらの病気は、早期に発見することで治療や管理が可能なケースも少なくありません。特に7歳を過ぎた頃からは、日常のスキンシップに加え、定期的な検査を行うことが大切です。
受診の目安

犬は体調が悪くても、痛みや不調を隠して普段どおりに振る舞うことがあります。そのため、症状がはっきりと現れたときには、すでに病気が進行している場合も少なくありません。
大切なのは、重い症状が出てから受診することではなく、「いつもと様子が違う」「少し気になる」と感じた段階で相談することです。
早期の受診が必要な症状
次のような様子が見られる場合は、早めの受診をおすすめします。
- 食欲がない、元気がない状態が続いている
- しこりやできものに気づいた、変化がある
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 歩き方がおかしい、動きたがらない
- 咳やくしゃみ、呼吸の異変がある
- 排尿・排便の様子に変化がある
- 体をしきりにかく、なめるなど皮膚の異常がある
症状が軽く見えても、背景に病気が隠れていることがあります。
判断に迷う場合も含め、気になることがあればお気軽にご相談ください。