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2022.06.09

犬の膝蓋骨脱臼について

 今回は犬で特に多い病気「膝蓋骨脱臼」についてお話しします。少しでも病気について知ることで知識を広げ、愛犬・知り合いのわんちゃんが病気にかかったときすぐ対応できるようこのお話しを読んでいただけたら幸いです。

◦膝蓋骨脱臼とは? 
  脱臼は関節のある部位であればどこでも起こる可能性がありますが、中でも犬に多いのが「膝蓋骨脱臼(パテラ)」です。膝蓋骨とは一般的に「膝のお皿」と呼ばれる部位のことです。通常は大腿骨内にある「滑車骨」というくぼみにはまっているのですが、その溝から膝蓋骨が外れた状態を「膝蓋骨脱臼」と言い膝蓋骨が内側に外れると「内方脱臼」で外側に外れることを「外方脱臼」といいます。
  「膝蓋骨脱臼」の症例は外方脱臼よりも内方脱臼の方が多く見られます。内方脱臼はトイプードル・チワワ・ポメラニアンなどの小型犬で、外方脱臼は大型犬で多く見られる傾向があります。

◦原因
  「外傷性」と「先天性」があり外傷性は交通事故・高いところからの飛び降り・転倒などが原因で起こります。先天性の場合は生まれつき膝関節の筋肉や靭帯に異常があること原因で子犬の時から発症していることもあれば、発育に伴って発症することもあります。

◦症状(4つに分けられる「グレード」)
  グレードI:普段は無症状だが時々症状が出る。日常生活にあまり支障がない。

  グレードII:時々足を浮かせて歩いているが曲げ伸ばしすると簡単に整復される。日常生活にあまり支障はない。

  グレードⅢ:常に脱臼している状態だが整復することが可能。足を引きずる・しゃがんだ姿勢で歩くなどの症状が出る。

  グレードⅣ:常に脱臼していて整復することが不可能。骨が変形し膝を曲げた状態で歩いたり、全く歩けない状態になることもある。

  グレードⅡまでは症状が軽いため飼い主さんが脱臼に気づかないこともありますが、小さな脱臼が繰り返し起こることで関節に炎症が起こり関節炎につながることもあります。また痛めた足を庇って歩くことで反対側の足に負担がかかり症状が更に悪化していくこともあります。立っている時に関節がガクガクする・足を引きずることがある・遊んでいるときに急に鳴いて痛がりだしたなどの症状があります。

◦治療
  内科治療:内服薬やサプリメントなどです。合わせて運動制限や体重制限などの指示があります。

  外科治療:「骨組織の再建術」と「軟部組織の再建術」の大きく2種類があります。

  内科治療を行うのか外科治療を行うのかについては脱臼のグレードや犬種・年齢などによって判断します。

◦予防
  先天性の膝蓋骨は防ぐことは出来ませんが、負担をかけないよう生活することで悪化を防ぐことができます。
  生活環境としては、段差や階段のない道を歩くようにする・フローリングなどの硬くて滑りやすい床にはカーペットを敷くなどの工夫で膝への負担を軽くできます。また体重が増えすぎると膝への負担が増すので体重管理も重要です。

◦愛犬の体に負担がかからないように生活環境を見直し、もし何か症状や気になることがあった場合動物病院へ受診で、愛犬の体を守ってあげましょう。

 

Tel.022-769-9939
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