犬のワクチンについて
朝夕は心地よい秋風を感じる頃となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?☺️
今回は犬のワクチンについてお話ししたいと思います。
ワクチンとは?
ワクチンとは、伝染性の病気や感染症などを予防するため、病原体の毒性を無くしたり弱めたりして作られた薬液のことをいいます。
ワクチンを接種すると、犬の体にあらかじめ「免疫」が作られます。その結果、もし病原体が体内に侵入しても、すぐにそれを撃退できるようになり、病気の発症を防ぐことができます。
免疫…体が細菌やウイルスに感染すると、侵入してくる病原体と戦うため抗体を作って攻撃するしくみ
ワクチンの種類
大きく分けて、法律で年1回の接種が義務付けられている「狂犬病ワクチン」と任意で接種する「混合ワクチン」があります。
今回は「混合ワクチン」について説明いたします。
混合ワクチンって?
混合ワクチンは、「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の2種類の組み合わせによって構成されています。
コアワクチン…生活環境に関わらずすべての犬が接種すべきワクチン
・犬パルボウイルス感染症
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬アデノウイルス1型感染症
・犬アデノウイルス2型感染症
ノンコアワクチン…暮らす地域環境や暮らし方などのその犬の感染のリスクに応じて接種すべきワクチン
・犬パラインフルエンザ感染症
・犬コロナウイルス感染症
・レプトスピラ感染症
混合ワクチンの種類
混合ワクチンには、予防できる病気の数によっていくつか種類があります。
一般的には5~8種類の混合ワクチンを接種することが多いです。なお、混合ワクチンで予防できる病気の組み合わせは、病院や地域によって異なる場合があるので、接種する際は予防対象の病気を確認しましょう。
当院では、6種と8種のワクチンを取り扱っており、6種は散歩が少ないシニア犬・アレルギー反応が心配なわんちゃんに、8種は川やキャンプなどに出かけるわんちゃん・他の動物と接触が多いわんちゃんにおすすめしております。
5種混合ワクチン…コアワクチン+犬パラインフルエンザ感染症
6種混合ワクチン…5種混合ワクチン+犬コロナウイルス感染症
7種混合ワクチン…5種混合ワクチン+レプトスピラ感染症(イクテロヘモジー型、カニコーラ型)
8種混合ワクチン…6種混合ワクチン+レプトスピラ感染症(イクテロヘモジー型、カニコーラ型)
ワクチンのスケジュール
1回目は、生後6〜8週頃が目安です。生後間もない子犬は母犬から譲り受けた抗体で守られており、抗体が残っているうちはワクチンによる免疫獲得が十分に得られません。そのため、生後6〜8週頃が目安となっています。
その後は3、4週間ごとに接種を繰り返し、16週齢頃には3回目の接種を行うのが推奨されています。
4回目以降のブースター接種は6カ月から1歳齢までに行い、それ以降は必要に応じて1〜3年ごとに接種していきます。
世界小動物獣医師会(WSAVA)のガイドラインでは、確実な免疫をつけるために「3回目接種の数か月後〜半年後(または12ヵ月齢まで)」に追加の1回を推奨しています。
ブースター接種・・・免疫記憶を刺激して抗体価を再上昇させるために行う接種
混合ワクチンは毎年必要?
世界小動物獣医師会 (WSAVA)のワクチネーションガイドラインでは子犬の時期に着実に免疫を獲得する工程を踏めば、その後コアワクチンは3年以上ごと、ノンコアワクチンは1年ごとの接種を推奨しています。
コアワクチンのほとんどは「生ワクチン」でできています。生ワクチンは毒性を弱めた病原体でできていて、細胞自体が病原体を認識・記憶・攻撃して回復することで、強く長持ちする抗体を獲得できます。WSAVAのワクチネーションガイドラインでは、犬パルボウイルス2型、犬アデノウイルスワクチン、犬ジステンパーウイルスのコアワクチンについて、生ワクチン接種後の免疫持続が9 年またはそれ以上の試験結果が出ているとあります。ただし、長持ちする免疫を得られますが、免疫を獲得するまで体に負担はかかります。
一方、ノンコアワクチンは主に病原体を殺菌し感染性のない抗原タンパクとして投与する「不活化ワクチン」のタイプが多いです。体への負担は少ないものの抗体が生ワクチンと比べ長持ちしません。
こちらの病院では、不特定多数のわんちゃんと接触があったり、山など外出が多いわんちゃんには特に、1年毎の接種をおすすめしております。
3年毎に受ける場合は、抗体は次第に失われていきますので、定期的に抗体検査を行い、必要な時期に追加接種を行うとよいでしょう。
ワクチンの副作用
ワクチンを接種したあとは、副作用を発症するリスクがあります。
副作用の代表的な症状
・注射部位の腫れ
・元気や食欲の低下
・軽い発熱
・眠気 など
副作用は、通常1〜2日で回復します。
ただし、まれにアレルギー反応が起こることがあります。顔の腫れ、嘔吐、下痢、呼吸困難などが見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
ワクチン接種後は安静に過ごさせ、一緒にいて体調の変化に注意を払いましょう。また、接種してから3日程度はシャンプーや激しい運動を控えることが望ましいです。
最後に
定期的なワクチン接種は、わんちゃんの健康を守るために欠かせない大切なケアです。
狂犬病、レプトスピラ感染症などは動物から人、人から動物へ感染する「人獣共通感染症」です。その病気から、飼い主様たちを守ることにもつながります。
大切なわんちゃんが元気に過ごせるよう、スケジュールをしっかり確認して接種を進めていきましょう。
ワクチンについて、知りたい事、分からない事があれば、お気軽にご相談ください。